銀行の貸金庫で不正事件が起きました。
ニュースとして見れば、一つの不祥事かもしれません。
しかしこの出来事は、貸金庫という仕組みについて社会全体が考え直すきっかけになりました。
銀行にとって貸金庫は、決して収益性の高い事業ではありません。
堅牢な設備、厳重な管理体制、人的コスト。維持には多くの負担がかかります。
そこに不正事件というリスクが重なれば、運用の見直しが進むのは当然の流れです。
実際に、銀行の貸金庫では
- 新規受付の停止
- 利用条件の厳格化
- 現金の取扱い制限
- 手続きの複雑化
といった変化が起きています。
銀行としては合理的な判断でしょう。
しかし社会の状況は、逆の方向に動いています。
貸金庫を求める人が増えている
近年、治安への不安は確実に高まっています。
強盗事件や組織的犯罪のニュースを見るたびに、
「現金や貴重品を自宅に置いておくのは不安だ」
と感じる人は増えています。
本来であれば、こうした時代ほど
安全な場所で貴重品を管理したいというニーズは増えるはずです。
しかし現実には、
貸金庫を利用したい人はいるのに、使える場所が少ない。
需要があるのに供給が限られている。
結果として、いびつな市場が生まれています。
実際に、
「貸金庫を借りたかったが断られた」
「銀行では新規受付が止まっている」
という声は少なくありません。
困っている人は決して多数ではないかもしれません。
しかし、確実に存在しています。
私たちは、その受け皿となる選択肢を作りたいと考えました。
家に金目のものはない社会へ
もう一つ、私たちが考えていることがあります。
それは、日本の「貴重品の置き場所」です。
これまで日本では、現金や貴重品を家に置くことが当たり前でした。
しかし近年の強盗事件を見ると、その前提は変わりつつあります。
犯罪者は
「この家にはお金があるだろう」
という前提で侵入します。
もし本当にお金があれば、奪われます。
それでも金銭だけで済めばまだいいのかもしれません。
しかし現実には、命が奪われる事件も起きています。
お金は失っても取り戻せる可能性があります。
しかし命は戻りません。
だからこそ私たちは、
「家には金目のものはない」
という状態を社会に広げていきたいと考えています。
現金や貴重品は、それぞれが適切な場所を選び管理する。
自宅には置かない。
それが当たり前の文化になれば、強盗のリスクそのものを減らすことにつながります。
その選択肢として
神戸貸金庫センターは、 こうした背景の中で生まれました。
まだ小さな取り組みですが、
貸金庫を必要としている人の選択肢の一つとして、
そして、
「家に金目のものはない社会」
という文化を少しずつ広げる存在として、 これから歩んでいきたいと考えています。
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神戸貸金庫センター
事業責任者 小上馬康介
